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国土技術政策総合研究所より優良業務表彰並びに優秀技術者表彰を受賞しました。(2020-10-27)

 当社(株)日本空港コンサルタンツは、令和2年7月に国土交通省 国土技術政策総合研究所より、優良業務表彰(所長表彰)、並びに優秀技術者表彰(所長表彰)を受賞しました。

○『優良業務表彰』:空港の被災復旧事例に関する数量的検討調査業務
  株式会社 日本空港コンサルタンツ
○『優良技術者表彰』
  国内業務本部計画部 部長 清水 啓(しみず けい)

【業務の背景】
 国土技術政策総合研究所空港研究部は、2018年に空港を構成する複数の構成要素の総合的な性能を確認する方法として、空港土木施設の信頼性設計法による照査を提案しています。この方法は、空港全体の目標安全水準を定め、空港を構成する各施設が保有する耐震性能の合計性能がこれを上回るかを確認するものです。2019年に国が示した空港の業務継続計画(A2BCP)では、「空港全体としての機能保持・復旧」といった空港全体性能、利用者の滞在も考慮した「都市」としての機能保持が示されました。空港全体性能を保持するために、空港を構成する施設をどの程度対策することが効率的であるのか、限られた資源のなかで考えていく必要があります。この手法を応用すれば、確率論を用いて定量的に対策すべき内容を示すことができるのですが、導入にあたっては、目標安全水準の設定や各施設の損傷確立についてさらなる技術的蓄積が必要となっています。

【業務の概要】
 本調査は、空港全体の目標安全水準の検討に向けた標本情報の蓄積が今後の貴重な資料になるという観点から、これまでの自然災害による空港の被災事例を詳細に整理し、空港機能の被災復旧の程度を数量で表現しました。また、空港全体性能に関連する構成要素の関係をシステムモデルとして表現することを試みました。
 これまでの空港の被害復旧事例としては、地震事例(10事例)、津波浸水事例(1事例)、台風浸水被害(2事例)を整理しました。続いて、具体の被害状況や復旧過程が比較的収集しやすい最近の事例に着目し、地震動被害では熊本空港(2016年熊本地震)、津波浸水事例では仙台空港(2011年東北地方太平洋沖地震)、台風浸水被害では関西国際空港(2018年台風21号)の3空港について、被災から応急復旧、完全復旧までの過程(イベント)と所要日数を整理し、被災前の空港の性能を100%とした際の空港施設の復旧曲線を作成しました。
 一方、空港構成要素の分析では、空港の全体性能に関連する構成要素を抽出し、発災した被害事象と空港施設への被害と空港機能へ与えた結果を結び付けた原因結果図を作成しました。また、空港全体性能を示す空港の構成要素の機能連携を踏まえたシステムモデル案を作成しました。

【謝辞】
 本業務遂行にあたりご指導を賜りました、発注者である国土技術政策総合研究所空港研究部中島研究総務官、波多野空港研究部国際海事政策分析官に改めて御礼申し上げます。

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※画質を低めにして掲載しています。